神山健治監督作品「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」を映画館で観ました。

〈ネタバレのある感想です〉

公開直後から観ようと思っているうちに1ヶ月が経過してしまい、近所の映画館の公開終了日が迫っていたので、滑り込んで観に行きました。

神山健治監督の新作アニメーションです。

「攻殻機動隊」などのTVアニメシリーズファンとしては神山健治監督の力量はわかっていますので、内容は知らなくても平均以上の作品であることは予想しておりました。

しかし、「君の名は。」、「映画 聲の形」、「この世界の片隅に」などが公開された2016年を境にアニメーション映画の期待値が上昇しているのは感じます。
その流れを受けて評価されてしまうと、どうしても安易に比較されてしまう部分があると思いますね。
それも映画の残酷さですね…
ただ、私にとっては上半期における最高の作品です。

この作品は、岡山県倉敷市で父親と二人暮らしをしている森川ココネが主人公です。
平凡な女子高生の彼女は、ついつい居眠りばかりしてしまうマイペースなところがあり、そんな彼女は最近、不思議なことに同じ夢ばかり見るようになるのです。
進路のことなど、考えなければいけないことがたくさんある彼女は寝てばかりもいられないのですが、無口で無愛想なココネの父親である森川モモタローは、そんな彼女の様子を知ってか知らずか、自動車の改造にばかり明け暮れていました。

ココネの母である森川イクミは事故で亡くなっています。
父子家庭です。

2020年、東京オリンピックの3日前、突然モモタローが警察に逮捕され東京に連行されます。普段はどうしようもない父親のモモタローではあるが、そこまでの悪事を働いたとはどうしても思えない…ココネは次々と浮かび上がる謎を解決しようと、おさななじみの大学生モリオを連れて東京に向かう決意をします。

その途上、彼女はいつも自分が見ている夢にこそ、事態を解決する鍵があることに気づくのです。
ココネは夢と現実をまたいだ不思議な旅に出ます。
その大きな冒険の末に見つけた、小さな真実とは…

夢が現実と交差する作品なので、途中から夢なのか現実なのかわからなくなります。
しかし、昔から実写でもよくある演出なので違和感はありません。

ココネが物心がつく前に母親の森川イクミは亡くなっています。
この作品のテーマ曲として使われている忌野清志郎が率いたタイマーズの名曲「デイ・ドリーム・ビリーバー」の歌詞のまんまなんですね。
歌詞の「彼女」を「イクミ」に置き換えると、この作品にピタリとはまります。

♪もう今は 彼女はどこにもいない
朝はやく 目覚ましがなっても
そういつも 彼女とくらしてきたよ
ケンカしたり 仲直りしたり

ずっと夢を見て 安心してた
僕は Day Dream Believer
そんで 彼女はクイーン

でもそれは 遠い遠い思い出
日がくれて テーブルにすわっても
Ah 今は彼女 写真の中で
やさしい目で 僕に微笑む

ずっと夢を見て 幸せだったな
僕は Day Dream Believer
そんで 彼女はクイーン

…で、この作品では、これがモモタローの視点なんですよね。
モモタローが創作したイクミの物語を幼かった頃のココネにずっと聞かせていた。
それがココネが見る夢になったわけですね。
つまり、これがこの映画のストーリーの柱になるのです。

夢と現実が重なるところは、だんだん境目がなくなり、終盤になると、もはや夢か現実かわからなくなります。
が、それが観客のストレスにはならず、もはや自然であるという状況になるのです。
どこか寓話的な物語ですね。

ちなみに、サイドカーのハーツがココネとモモタローを助けに来るシーンは、攻殻ファンの私にとっては大好きな展開でしたね。
ハーツの自動運転プログラムの中でイクミは生きていたのです。
つまり、イクミは草薙素子的なキャラクターでもあるわけですね(笑)

この作品、最初から最後まで面白いのですが、個人的にはエンディングがピークでした(笑)
最後に「デイ・ドリーム・ビリーバー」が流れ、母イクミと父モモタローの物語が始まるわけです。
最後の最後にです。
曲と最高にマッチしてるんですね。
それにイクミが亡くなる直前の物語だとわかるわけですから、これは普通に泣けます。

やっぱりアニメーション作品は選曲が本当に大事ですね。
それを再認識できた作品でもありました。

あとエンディングの回想シーンですね。
ここは賛否両論あると思いますが、最近のアニメーションはエンディングが重要だと思います。
素晴らしい作品は、エンディングが素晴らしい。
エンディングの印象で作品全体の印象が決まるわけですから、ここが弱いとダメなわけです。
昨年ヒットした作品もそうです。

「君の名は。」は、あの2人が出会うエンディング以外ではダメでした。
あれでダラダラしてたら、おそらくリピーターも減ったと思います。

「聲の形」は、主人公の涙が溢れるエンディングが作品全体のカタルシスになりました。
原作では、もう少し先まで描かれていますが、あれで終わらせたのは正解でした。
語り尽くすよりも、少し余韻が残った方がいいのです。

「この世界の片隅に」では戦災孤児のシーン、予想外過ぎて心の中に響き渡ります。
誰かわからない親子のエピソードが急に挿入されても、我々はすぐに状況を理解できました。
つまり、作品を通して、理解できる準備ができていたのです。

「ひるね姫」は、イクミがモモタロー達と開発した自動運転車を試乗して、遠ざかるシーンです。
あのシーンだけが、ちょっと長いんです。
遠ざかるシーンだけが長いということはメッセージであり暗示です。
もちろん、自動運転車がゆっくりではあるが公道をしっかりと走っている、ただの実験シーンでもあります。
あの後に事故で亡くなるのかは不明ですが、あの遠ざかるシーンだけは特別だと感じました。
もはや台詞なども不要です。
仮に説明不足だと思うのならば、2時間も何を観ていたのか?と言いたくなります。

いかん、熱くなりました(笑)

それにしても「デイ・ドリーム・ビリーバー」は素晴らしい曲ですね。

アニメーションと過去の名曲を組み合わせるパターンは、マーケティングによって今後も数々誕生すると思いますが、ますます実写が負けちゃいますね(笑)日本のアニメーションは強すぎる…映画の才能がアニメーションに集結してますね。

では、神山健治監督による攻殻シリーズの最新作に期待するとしましょう。
できれば映画館で観たいですね。
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2017.04.20 Thu l 映画(アニメ) 感想 l コメント (0) トラックバック (0) l top
日本ハム斎藤佑樹6回途中3失点、待望の白星ならず


6日、ロッテ戦(ZOZOマリン)に先発した斎藤佑樹、6回途中3失点で降板し、1敗目となりました。

5回0/3、球数87、被安打6、三振2、四死球2、失点3ということでした。
内容は、まずまずだと思いますね。
今季の武器にしているツーシームは良かった。
初回から一球速報でツーシームばかりが表示されていましたので、あきらかな変化です。
斎藤佑樹=ツーシーム、2014年の2月にも話題になったことがあるシュートは定着するかもですね。
ストレート、スライダーを投げる斎藤佑樹も好きですが(笑)

しかし、1敗は1敗です。

今日は打線の援護がなかったのが残念で、、、
斎藤佑樹だけが悪いとも言えないゲームでしたね。

ただ、初回から崩れないのが良かったのと、なにより新しい。
そう、今日の斎藤佑樹は、どこか新鮮なんですよね。
動画をチラ見しただけですが、体にキレもあった。
表情も良かったですね。
どこか開き直りとも違う、去年までの変なぎこちなさが消えたというのか、無理がないんですね。
あと、妙に堂々としていた。
もちろんフル観戦していたわけじゃありませんが、、、、、
負けたのに負けた気がしない。

今シーズン、何かやってくれそうですね。
2017.04.06 Thu l 斎藤佑樹 2017 l コメント (4) トラックバック (0) l top
日本ハム斎藤佑樹、開幕1軍に感慨「察して…」

【日本ハム】斎藤が開幕迎える1軍に合流「ここからが勝負」

「(内容は)察してください。開幕当日に1軍にいられるということは、僕にとって大事なこと。より一層、気を引き締めてやっていきたい」

31日、1軍に合流した斎藤佑樹、試合前練習に参加する前には、栗山監督と話をしたということです。
久々の斎藤佑樹1軍スマイルです。

スポーツ報知の写真(上から2番目のリンク記事内)も素晴らしい。
札幌ドームのグレーと練習着のブルーがマッチしています。
これは、なかなかレアな写真ですね。

さて、プロ野球も開幕しました。

来週が楽しみですね。
2017.03.31 Fri l 斎藤佑樹 2017 l コメント (8) トラックバック (0) l top
昇格目指す斎藤佑 2軍戦で5回6安打2失点「我慢強く投げるしかないので」

30日、イースタン・リーグのDeNA戦(相石ひらつか)に先発した斎藤佑樹、5回75球を投げて6安打2失点でした。
内容として良かったのが、2回以降の4イニングは2安打無失点だったことですね。
3、4回には一塁に走者を置いた場面で、いずれも投ゴロ併殺打で切り抜けたとのことです。
31日に1軍に合流、早ければ4月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発する可能性があるとのことです。

個人的にWBCが不完全燃焼だったので、これは嬉しいニュースです。
先日は松坂大輔投手の話題も出ておりましたが、やはり世間は甲子園のスターが好きなのでしょうか(笑)
清宮フィーバーも凄いですよね。

さて、我らの本命である斎藤佑樹の開幕ですが、久々に楽しみですね。
ずいぶんと長く斎藤佑樹のヒーローインタビューを見ていないわけですが、仮に今回勝った時のカタルシスはたまらないものがあると思いますね。

いや、勇み足でした(笑)

事実のみ受け入れようと思ってたのですが、そんなドライな応援なんてしません。
斎藤佑樹を堪能できる久々の機会なわけですから、マスコミさんも派手にお願いしますよ(笑)
大谷翔平選手とのダブルお立ち台だって夢じゃないわけですから。

はい、もうイメージはしています。
もちろん、スポーツ新聞はデイリー以外すべて一面です。
2017.03.30 Thu l 斎藤佑樹 2017 l コメント (2) トラックバック (0) l top
映画館で万田邦敏監督監督最新作「SYNCHRONIZER」を観ました。

<ネタバレのある感想です>

今年の一本目は、万田邦敏監督作品と決めていたので、2月11日の公開初日に渋谷のユーロスペースの初回に行ってきました。
初回は19時スタートでしたが満員御礼、上映後に万田邦敏監督や出演者の舞台挨拶もありました。
珍しく写真撮影OKの舞台挨拶だったのですが、館内が暗くてスマホでうまく撮影できず(笑)
万田邦敏監督を生で見るのは初めてでしたが、良い意味でイメージ通りの方でした。

で、「SYNCHRONIZER」ですね。
シンクロナイザーとはなんぞや?なわけです。

物語は、脳波を同期させる無認可の実験に没頭する研究者の長谷川高志(万田祐介)と長谷川に惹かれ協力する女性研究者の木下萌(宮本なつ)が主人公、認知症となった長谷川の母親である春子(美谷和枝)を実験により治療しようと試みる中で起きる予想外の出来事が描かれます。

万田邦敏監督いわく、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品「ザ・フライ」を意識した作品のようです。
この時点で、まともな展開にならないのがわかりますね(笑)

ラブストーリーであると万田邦敏監督は語りますが、この作品をラブストーリーと見るか、サイコスリラーと見るかは賛否両論あると思います。

長谷川高志と木下萌が恋人関係になり親密になっていく過程と母親の介護をしつつも治療を目的にした実験を重ねていく過程が妙に丁寧に描かれていると思ってたら、やっぱり変なことが起きる(笑)
だんだん親子の絆の強さみたいなものが実験の精度を上げていくのですが、そのあたりから長谷川高志の様子がおかしくなるのです。

男性経験がなかった木下萌は長谷川高志と交際することで、だんだん女性として魅力的になっていくのですが、春子も春子で…それを凌ぐアンチエイジングが始まる(笑)
嫁姑問題のような三角関係もあり、恋人よりも母親の方が実験のシンクロ率が高いというのは当たり前だとしても、どこか敗北感があるわけですね。

やっぱり万田邦敏監督は「女性」を描かせたら日本一、いや世界一の映画監督だと思います。
特に女性の根源的な強さを描くのが上手い。
「UNLOVED」の森口瑤子、「接吻」の小池栄子、「イヌミチ」の永山由里恵、そして今回は宮本なつ、あと中原翔子、特に発見は大塚怜央奈ですね。
ネタバレになるので、あまり詳しくは書けませんが、大塚怜央奈が良かった。
男性陣としては、まさかのヌードが見れて良かったという意見もあるでしょうが、それにしても見事な裸体なんですよね。
で、この展開は何?…あれ、すごいシンクロしてるぞ…ああ血が…みたいな大混乱(笑)

期待していた方向の映画ではなかったものの、これほど確信犯的かつ清々しいB級映画は、いつ以来でしょうか?
ラストは、ちょっと笑ってしまうような、くだらないと言っても過言ではない展開になるわけですが、それもまたこの作品の魅力だと思います。

現在、有名な俳優を使わず、お金をかけなくとも傑作が撮れることを証明できる監督は少ないわけです。
映画は総合芸術ですから、何か一つが秀でていてもダメです。
ロベール・ブレッソン監督が生み出した映画史上における最高傑作「ラルジャン」が映画の頂点だとすれば、万田邦敏監督が「ラルジャン」に並ぶ作品を撮れる可能性がある映画監督だと本気で思っています。
それは、万田邦敏監督がロベール・ブレッソン監督同様に有名な俳優を使わずお金をかけなくとも傑作が撮れる監督だからです。
つまり映画に愛される才能です。

しかし、才能だけで勝負することはリスキーです。
ほとんど儲かりません。
映画における才能と興行は連動しません。
ビジネスと文化が両立しないのと同じです。

ただ、万田邦敏監督の才能に惚れ込んだ人間が存在すれば、いずれは映画史には深く刻まれます。
万田邦敏監督の代表作「接吻」は、いずれ日本映画史上における大傑作として再評価されるでしょう。

そして、今後も大傑作を撮り続けると思います。
2017.02.12 Sun l 万田邦敏 l コメント (2) トラックバック (0) l top